2018年2月27日号
 在日同胞社会を牽引する民団中央本部の三機関長が2月22日の第54回定期中央大会で選出された。今回、三機関長は単一候補。無投票で当選したことを歓迎したい。
 民団は一昨年、創団70周年を迎え、解放直後の厳しい状況下で、先駆的な諸人士の熱い情熱と闘争心、在日同胞の権益を守るため、筆舌に尽くせない犠牲の上に民団が創設された。その民団、三機関長の理念、人間性、統率力は注目の的になっている。


民団役員の責任は重大

民団のような全国至るところに支部、分団、班があり一定のネットワークを所有している海外同胞は日本だけだと聞いている。
 地方本部が各都道府県に45、支部が270、98の分団と班が900というのは非常に巨大な組織網と言える。このような全国の支部、分団、班が有機的を生かして、ビジネスを展開しだいで収入が見込める。その具体的なサンプルをもっと民団は研究、工夫してほしい。
 帰化者による組織離れが指摘されていたが、民団は団勢調査を始め、現状把握に力点を置くべきだ。京都本部の河相泰団長は「私が団長に就任して、民団京都の現状把握を活動の最大方針にしている。
 そこで支部の効率的な運営に創意工夫している」と語っているのは地味な活動だが傾聴に値する。
 京都のある代議員が「支部をもっと強化し、団員と身近に接触しているのは支部だから、その支部に戸籍、生活相談などもっと身近に強化していって、支部を拠点に生活文化センターなどの役割を果たすように教育すべきだ」と訴えていた。民団役員の強力なリーダーシップを期待したい。

しぼむ地方参政権獲得運動


 地方参政権獲得について、民団のこの数年間を取ってみても、声高らかに叫ばなくなっているのも事実だ。
 私がリハビリで入院していたとき、担当の看護師が「李さん、選挙の不在者投票のカードを持ってきましたので記入してください」ときたので、「私は在日で、日本は外国人に選挙権を与えないでいるので、投票権はないのです」と答えた。
 このように多くの日本人は韓国人は皆選挙権があるもののように錯覚しているのではないか。あるイギリスの学者が日本に来て「在日コリアン社会が成立して100年にもなると聞いて驚いた。その在日コリアンに選挙権を付与しないなんて考えられない」と驚嘆していた。
 1910年の日韓併合を起点としておよそ108年を迎える。戦前一時、投票権が付与された時期もあった。戦後は民主党が全盛だったころは明日にでも参政権を実現できると期待していた。ここに至っては、歌を忘れたカナリヤのように沈黙を保っており、「今は選挙権を要望する時期ではない」とある民団幹部は言う。それでは「いつがその時期なのか」と問い直したい。

在日同胞の役割、課題


 言うまでもなく在日同胞は分断の落とし子、日本の植民地支配、東西冷戦の相対立の矛盾の産物だ。そして日本の戦後処理の未解決の象徴が在日同胞問題である。
 故に在日同胞は総体として民団・総連が相対立するという図式を止揚し、戦後処理問題を解決する役割について論議することは重要だ。従軍慰安婦、徴用工の問題、在日コリアンの参政権・人権問題も戦後処理の未解決問題と位置づけて1つひとつ解決していくことである。
 来年は1919年3・1独立運動100周年である。東京の留学生らが発端となってYMCAで2・8独立宣言が起爆となっている。解放後は祖国の平和統一を理念に民族日報を発行した趙緕氏が死刑になっている。
 そして在日韓国学生同盟が4・19学生革命に呼応し、四反理念(反独裁、反外勢、反封建、反買弁)の民主化闘争を繰り広げた。1960年代末まで韓民自青、韓民自統に結集した青年学生も果敢に祖国の平和統一の隊列に結集した。
 このように日本という舞台を基地にして祖国の平和統一運動の隊列に参画した歴史もある。来年の3・1独立運動100周年に際し、将来的には祖国統一に向けた統一政府が樹立された場合、在日は連携しながら地球規模の環境、食糧、エネルギー、軍事問題などあらゆる分野に参画することができる。
 そのために在日同胞の1人ひとりが自己研鑽し、民族愛と国際性を可能な限り身につけたい。