歴史・文化相互理解を基軸に東アジアの平和構築へ |
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| 平城遷都1300年目の2010年に復元される平城京跡 |
渡来人が建立した東大寺 |
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■無知な1部の日本社会 |
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昨年、大阪城ホールで「冬のソナタ」のチェ・ジウ、ユン・ソクホ、パク・ソルミらが総出演した韓流コンサートがあった。チケットはA席1万2千円、B席1万円だったが、客席は9割近い入りで熱気ムンムン。大半が日本の女性、主婦層で男性はほんのわずか。
コンサート終了の帰り、50代くらいの主婦に「コンサート楽しかったですか。ところで、日本で韓国人がどれくらい住んでいるのかご存知でしょうか。差別の実態についてもどうでしょうか」と尋ねると、「私は創価学会の会員ですが、よく池田大作先生から戦前、日本が植民地支配などいけないことをしてきたことなど教えられました。平和が大切です。日本にいる韓国人の方は2000万人ぐらいいらっしゃいますか」と言われた。
「奥さん、そんなに多くはありませんよ。帰化した人まで入れても100万人ぐらいですよ」と応えた。つくづく考えさせられてしまった。コンサート会場では、「コマッスムニダ、サランヘヨ」などとプラカードを持ちながら、韓流スターにウルウルしている人が、在日コリアンについてはその実態を皆目わかっていない。
日本の女性、主婦層が韓流スター目当てに韓国に行き、本国の韓国人と結婚する日本人女性が増えているが、在日コリアンの現実については無知といってもよい。韓国映画、K-POPなどに触れ、「カッコいい、男前、純粋」などとため息をもらすのは、スターの外見な魅力に感激する気持ちの発露であって、韓日の歴史認識、生活場面での差別問題に対する改善には至っていない。「竹島問題などはどう思いますか」との問いに、「それは日本の領土に決まっていますよ。韓国はやり過ぎですよね」などと言いながらも、「冬ソナ」は好きだという。
韓流ブームがいまだに続いている。韓流スターも歴史認識をもう少し持って、日本人社会にメッセージを送ってほしいと願って止まない。一方、在日コリアン側には思うように韓流ブームを活用できない苛立ちを覚える。せっかくの韓流ブーム。このブームに、在日と日本人のわだかまりを取り除く工夫を見出さなくてはならない。
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■問題の多い民団、総連
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最近の民団新聞を見ていると、民団組織の歴史的役割を評価する囲み記事が目に付く。勿論、韓国系同胞の唯一の全国ネットワーク組織であり、民団の名の下に一定の大衆が集まる。日本の自治体、諸機関でも民団の名が浸透し、行政のトップらが対応してくる。権益擁護の面で、在日のために果たした役割は大きく功績は評価すべきである。
民団大阪本部の朴英哲副団長は「指紋押なつ、公営住宅入居、児童手当支給、公的資金の融資などの権益、経済的側面をはじめ、地方公務員採用の国籍条項撤廃、民族学級支援など民団組織の果たした役割は大なるものがあり、団員皆様に是非とも理解していただきたい」と切実に語っていた。同感の至りである。新年会、忘年会、花見など同胞が集まり、親睦を深め合っている交流の場の意義は決して小さくなく、評価すべきである。
しかしながら、世代交代に伴い、1世がほんのわずかになり、すでに4、5世が登場する時代になった。旅券業務を93年以降領事館に返上して以来、民団は組織的財政的運営危機を迎えている。在日コリアンの若い世代にとって民団はなくてもいい組織になりつつある。
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先だって、兵庫県尼崎市の40代の行政書士から「民団を駄目にしたのは、民団の役員、職員らじゃないですか」と指摘され、思わずハッとした。「受付の態度は悪いし、応対に出た途端、もう二度と来るかと思いたくなった。しかし、彼らもちゃんと給料貰っている。しっかりしてほしい」と続けた。
当地の民団兵庫本部では本部会館を売却し、移転を決断するなど、財政面で効率を求めて新展開しようとしている。執行部は必死になって次世代のために案を講じている姿には評価しなくてはならない。
民団中央は昨年の5・17事態の収拾に努め、全国団員の個別訪問推進など組織活性化に全力投球している。ビラには再入国許可制の理不尽さを訴え署名運動を展開している。民団組織が組織肥大に陥り、運営面で「お荷物」になりかねない危惧があり、世代交代やニーズに対応した大胆な転換が求められている。
今、朝鮮総連が絶体絶命の窮地に直面している。経営破綻した在日朝鮮系信用組合から不良債権を譲り受けた整理回収機構が、実質的な融資先の朝鮮総連に約627億円の返済を東京地裁から求められている。
「在日同胞の団結の象徴であり、愛族・愛国運動の拠点である」と朝鮮総連は中央本部を位置づけてきた。その中央本部の象徴が立ち退きを迫られている。各地で朝銀が破綻し、総連の関連施設に対する競売が相次いでいる。整理回収機構の回収では、東京都文京区の総連東京本部や機関紙の朝鮮新報社、同滋賀本部などの施設が競売にかけられた。
大阪市東淀川区の総連大阪本部の土地建物は競売で近く入札予定だったが、所有する総連系企業が大阪地裁から今月上旬、自己破産手続きの決定を受け、競売は中止された。自己破産が競売回避策だった可能性も指摘されている。
朝鮮総連は1955年5月結成以来、在日朝鮮人を公民とする北共和国の組織として絶対忠誠を維持してきた。北は帰国事業を担保にして、総連を支配下に治め北共和国の政治路線の海外拠点にしてきた。在日の権益よりは共和国の政治的走狗にさせた弊害は大きい。
民団は韓国の国是を遵守し、総連は共和国公民と位置づけ、それぞれが祖国への忠誠を誓い、在日の社会を2分化してきた。1世の祖国志向、愛国心が今日まで在日の分断の悲劇を維持してきた要因に他ならない。軍事境界線のない在日社会が統一できなくて祖国統一を唱える資格はあるだろうか。
京都大学の上田正昭名誉教授があるシンポジウムで「在日の皆さんが手を握り合い、1つになれなくて何の統一ですか」と語っていた言葉に筆者は顔が赤くなった。結局、今のままでいくと在日の社会構成員のうち、日本生まれが90%を超えていくのに、歴史的、冷戦の組織遺産をこのまま継承させていくのだろうか。
筆者は2世世代として民団総連の境界線が早くなくなることを願っている。民団、総連とも在日の冷戦構造の残滓(ざんし)を払拭して、理念、機構の抜本改革を余儀なくされている。にもかかわらず、両組織はこのまま祖国の分断状況に追従し、両組織を固く守り続け、行くところまでいくつもりなのだろうか。
民団組織は地方参政権を唱えながらも、足元の団員の総勢には選挙権を与えないでいる。海外国民でありながら、本国にも選挙権がなく日本社会の地方参政権もない状況を憂うなら、せめて、同胞の拠点である民団の長を選ぶ選挙権を団員に総じて与えるべきではないだろうか。
外には基本的人権を主張しながら、内には団員の人権を認めない不合理性をどのように3・4世に説明したらいいのだろうか。結局は、一部の役員中心の名誉を満足させる組織であれば、将来的に期待が持てないのは自明の理である。
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■2010年に向けて真の独立準備を
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710年「奈良・平城京」の誕生から1300年目の2010年に、奈良県で平城遷都1300年記念事業の一大セレモニーが日本国の主催で開かれる。
記念事業のメッセージに「奈良、平城京の時代、大陸との交流を通して、ユーラシアの各地から様々な文化や文明が取り入れられました。それらは日本古来の文化と結びつき今もならの建築物や美術品に見られる、美しい天平文化が花開きました。これを機会に、歴史と文化について語り合い、理解し合うために、世界中の人々が交流する舞台として新たな成長を始めたいと考えます」と書かれている。
奈良は「ウリナラ」のナラであり、東大寺、法隆寺をはじめ寺院、建造物は渡来文化の宝庫である。当時、百済、新羅、高句麗から人、技術、材が来て平城京の国づくり、律令体制づくりの根幹となったのである。
660年に百済が滅亡し、多くの人々が日本にやってきた。渡来一族が奈良時代にどれくらいやってきたのか。例えば河内飛鳥では73氏族の内40が渡来系で55%も占めていた。いわゆる半分が「在日コリアン」であった。今の鶴橋のような所で色々な文化があり国際色豊かな場所であった。
4年前、日本天皇は「私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であることに韓国とのゆかりを感じます」とするいわゆる「ゆかり発言」を述べられた。古代日本国の建設に中国大陸、朝鮮半島の文化技術の果たした役割を日本国民、在日コリアンはしかと脳裏に刻んでおかなくてはならない。
ちょうど、2010年は1910年に日本の「併合化」の下植民地時代に突入してから100年目である。100年たっていまだに祖国は南北に分断され在日も分かれている。真の独立を成し得てないのである。現在、コリアン民族は歴史的、文化的に優れた先人の末裔子孫であることを自覚していきたい。
2010年は真の祖国独立の節目の年であることを願う。在日は奈良を起点に歴史交流文化事業を活発に展開し、東アジアの平和に貢献していこうではないか。 |